夜空の芸術

古くから人々は夜空を眺め、そこの多くの物語を紡いできました。その一つ一つは伝説となり、その形を具現化したものとして「星座」が生まれたのです。今は全世界で88に統一された星座ですが、その多くは古代人から現代まで続く変わらない文化の一つです。
四季折々の星の並びには特徴があるように、星座にも季節に応じた物語がありますよ。春は、北の空に輝く北斗七星(おおぐま座の一部)と北極星を中心に回る小柄杓(こびしゃく)…これは母熊と子熊の哀しい物語、そしてかに座、しし座、うみえび座とヘラクレス座の壮烈な死闘、穏やかな光を放つおとめ座のスピカ…
夏はオリオンを倒したさそり座と半人半馬のケイローンをかたどったいて座の間には壮大な天の川が流れています。またその近くには死者をも蘇らせると言われたアスクレピオスをかたどるへびつかい座、天頂を見上げると古代中国から語り継がれてきた七夕の織姫と彦星が輝いています。
秋は古代エチオピア王国のアンドロメダ姫を巡る登場人物が勢ぞろい!ケフェウス、カシオペア、ペルセウスにペガサス…そしてお化けクジラのくじら座も!
冬は凛とした冬空に明るい星が輝きます。まさに星座の王者にふさわしいオリオン座、オリオンに襲いかからんばかりに輝くおうし座、非常に仲の良いふたご座などなど…

そのような四季折々の夜空の芸術を楽しんでみてください!

秋の星座

ケフェウス座

ケフェウス座は、エチオピア神話に出てくるアンドロメダ姫のお父さんで、エチオピアの国王です。でも、王妃のカシオペアや姫のアンドロメダほど有名ではありません。星座も有名ではありませんが、一度見つければ、次回からは探しやすくなりますよ!
春の星座

こぐま座

こぐま座は、北極星を有している柄杓のような形の星座です。ちょうど、北斗七星を小さくしたような星座ですが、北極星含めて2等星が2つ、3等星が1つであとは4等星以下なので、街中ではなかなかわかりづらいかもしれません。でも、夜空の暗い場所では北斗七星の小型版の姿が楽しめれるでしょう。
春の星座

からす座とコップ座

春の大曲線の先にあるからす座、コップ座の写真です。光害のため、背景が明るくなっています。2つは少々小ぶりな星座ですが、特にからす座は意外とわかりやすい星座です。ぜひ、探してみてください。
夏の星座と天の川

夏の大三角(はくちょう座・こと座・わし座・こぎつね座・や座・いるか座)

夏といえば、天の川、そして小学生の皆さんには夏の大三角を見つける宿題がありますよね。夏の大三角は、七夕の織姫(ベガ)、彦星(アルタイル)、そしてはくちょう座のお尻の星であるデネブで出来た二等辺三角形です。そしてその中にも小さな星座がたくさんあります。
春の星座

おとめ座

春の星座であるおとめ座の解説です。北斗七星からたどる春の大曲線の終点が白く輝くスピカ…おとめ座の1等星です。白く清らかに輝く色から日本では真珠星と言われます。星座自体は目立ちませんが、おとめ座にはおとめ座銀河団という遠い銀河の集団があります。
春の星座

うしかい座

春の代表的な星座であるうしかい座の解説です。北斗七星の柄の先に、オレンジ色の星が輝いていますが、そのあたりがうしかい座です。オレンジ色の星は日本では麦星、春の夫婦星のひとつでもあります。なぜ、夫婦星と呼ばれるのかは解説を参照くださいね。