今見ている天体は、どのくらい前の光?
M30までの距離は約26,000光年、つまり今見ているM30は正確には約26,000年前の姿です。日本列島付近には、およそ38,000年に人類が足を踏み入れたと考えられており、その頃から10,000年くらいが経過した旧石器時代です。この頃の大きなイベントとしては、鹿児島県の桜島が生まれたことです。

天体概要
やぎ座にある球状星団です。この頃には、頭の真上(天頂)付近に、ペガサス座のM15,みずがめ座には、M2とM72などの球状星団があるので比較してみるもの楽しいかと思います。ただしM30はちょっと見え方が寂しく感じるかもしれません。またM30はM15同様に中心部への星の密集が過度なため、星の重力の相互作用で中心部崩壊が起きているのではと言われています。
M30は1764年8月にメシエにより発見されました。ほかの多くの球状星団同様、星雲と記録されていますが、後年ハーシェルによって観測されたときは、星団としてとらえられたようです。
ところで、3月の月のない夜に一晩でメシエ天体を見て回るメシエマラソンという競技が行われますが、M30はおおよそ最後にチャレンジするメシエ天体です。しかしM30は夜明け前の南の空低くに見えることから、なかなか見つけにくく参加者泣かせの天体だそうです。
どんな感じで見えるの?
M30は南の空やや低めで、見かけの大きさがそれほど大きくありません。双眼鏡では、周りが滲んだ恒星のように見えると思います。また8~10㎝程度の望遠鏡では100倍程度で回りの微光星が見えだすかもしれません。20㎝程度以上では、球状星団っぽく見えるようになりますが、空の状態が良くないと、星雲状にしか見えないかもしれません。
ふっくんの感想と一言

南の空低い天体は、どうしても見え方が悪くなります。また南方向に街明かりなどの光害があるとなおさらです。できればそういう場所を避けて観察してもらいたいのですが、なかなか難しですね。
メシエ番号(NGC番号) | M30(NGC7099) |
属する星座 | やぎ座 |
種別 | 球状星団(Ⅴ) |
赤経 | 21h40.4m |
赤緯 | -23°11′ |
光度(等級) | 8.4等級 |
視直径 | 9′ |
地球からの距離 | 26,000光年 |
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