今見ている天体は、どのくらい前の光?
M46までの距離は約5,400光年、つまり今見ているM46は正確には約5,400年前の姿です。日本では縄文時代中期ですね。縄文時代のど真ん中。でもこのころからだんだん気候は寒くなっていったようです。その少し前、6,000年~7,000年まえは気温がやや高い状態が続き、縄文海進といって海岸線が今より2~3m高いといわれる時期でした。
世界的にみると、エジプトで初期の王朝が建てられたのもこのころと言われています。

天体概要
とも座にある散開星団です。M46はメシエがメシエカタログの初版(M1~M45)を出した後の1771年2月に発見した最初の天体です。近くには同じ散開星団であるM47もあります。
M46は、星の数が多く、10~13等級の星が150余り、総数は500を超えると言われています。この星団で最も明るい星のスペクトルはA0型で、高度は8.7等級。太陽の100倍程度の明るさと考えられています。この星団までの距離と見かけの大きさから、実直径は約30光年と見積もられています。星団の年齢は、約3億年と言われています。
またM46の特徴として、星団の中にドーナツ状の惑星状星雲NGC2438の存在(上の写真でも、薄く丸い天体が写っている)が挙げられます。ただ、この惑星状星雲はこの星団のメンバーではなく、たまたま同じ方向に見えている別の天体であると観測の結果、わかっているようです。
どんな感じで見えるの?
M46はシリウスの東を流れる冬の天の川の中にあり、シリウスを東に伸ばした先とこいぬ座のプロキオンを南に伸ばした先の交点付近にM47と並んであります。
双眼鏡では、M46は星に分解できずに星雲状に見えるかもしれません。しかし背景の冬の天の川と併せてみると美しい眺めになるでしょう。
8~10㎝程度の望遠鏡では星に分解してみえるようになります。また星団の中にNGC2438という惑星状星雲(径は1’で、11等級です)が見えるようになるでしょう。20㎝程度以上では、見える星の数も増えて、星団の迫力もぐっとあがります。同時にNGC2438がミニM57のようなリング星雲に見えて、興味は尽きません。
ふっくんの感想と一言

冬の天の川に見える散開星団です。シリウスとプロキオンという非常に明るい星からたどることができるので、ぜひともチャレンジしてほしい天体です。望遠鏡で、星団の中にある惑星状星雲が見えたら、ちょっと感動するかもしれませんね。。。
メシエ番号(NGC番号) | M46(NGC2437) |
属する星座 | とも座 |
種別 | 散開星団(f) |
赤経 | 07h41.8m |
赤緯 | -14°49′ |
光度(等級) | 6.1等級 |
視直径 | 27′ |
地球からの距離 | 5,400光年 |
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