星を見る日取りと場所

星を見たいと思っても、天候や月齢・周りの状況によっては見ることが十分にできないことがあります。以下、私の経験から星を見る日取りと場所について参考になればと思いコメントさせていただきます。

星を見るときの天気について

　星を見るときは…もちろん晴れていなければ駄目です。曇りでも望遠鏡があれば見える…と思う人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。確かに望遠鏡は人の目に比べてたくさんの光を集めることができますが、厚い雲に覆われたら見えませんよ。
　昔、冷却CCDで薄曇の日に写真をとったことはありますが、高感度のCCDカメラで恒星がやっと写る程度です。もちろん肉眼では何も見えません。望遠鏡を通してかろうじて光の点が見える程度です。大型で、鏡の直径が50ｃｍとか１mの天文台の望遠鏡も見えません。天気は晴れの日を狙うようにしましょう。
　しかし、完全に曇っていたらダメですが、ちぎれ雲(小さい積雲/片積雲)やうろこ雲が主体であれば雲間から見えなくはないかもしれません。しかもその時にお月様が出ていたら、運が良ければ幻想的な月光や雲に隠される月を(双眼鏡とかで)見ることができますよ♪

星を見る日取りと時間帯

　星を見る日取りですが、見たい天体により変わってきます。星を見るとき…特に満天の星空を見たい場合、気にしないといけないのは月齢なんです。月明かりというのは意外と明るく、満月ともなると3等星を見つけるのも難しいかもしれません。天の川などは満月時にはどのような場所でも見ることは難しくなります。
　この月明かりも夏は月の高度が低いのでまだ影響は少ないのですが、冬になると高度が高くなるため、半月程度でも影響も大きくなります。(月の高度は、季節単位で凡そ太陽と対称の位置にあると思ってください)
　ですから、星を見る日取りは暗い星を見るのであれば月明かりの影響がない時期を選ぶのが良いでしょう。もし月も含めて天の川や暗い天体も見てみたいというのであれば、半月(上弦の月)手前までの日程で、薄暗い間に月などをみて(半月前のほうが、クレーターとかもはっきり見えます)月が沈んでから満天の星空を楽しむという方法がいいかもしれませんね。

　また、星が見えるようになる時間帯は、季節によって大きく変わってきます。
　星が見え始める時刻として、私の地元である岡山県にある美星天文台がWebsiteに載せている時刻は次のとおりですね。
冬(11月～2月)：18時～19時ごろ
春(3月～4月)：19時～20時ごろ
夏(5月～8月)：19時半～20時ごろ
秋(9月～10月)：19時～20時ごろ
　これは岡山での時刻なので北海道・東北ではこれより約40～50分、関東では30分ほど早く、九州・沖縄ではこれより20～40分ほど遅くなります。(季節により変動があります)

星を見る場所について

　地平線が開けて街灯が少なく、天の川がはっきり見えるようなところがあれば最高ですが、田舎ならいざ知らず都会の近郊でまずそれはないでしょう。ただ、田舎の高台でも私有地ではなくて開けている場所というのは難しい面がありますね。私は岡山空港裏手にあるひっそりとした駐車場を見つけて、そこで星を見ていました。夜10時には空港の誘導灯が消えるので、まぁそれなりには見ることはできましたね。
　望遠鏡で星を見る場合、今のちょっとした望遠鏡の殆どは赤道儀あるいは自動導入がついているタイプなので北極星が見える北が開けていることは絶対条件です。(慣れてくれば他の星からも極軸は合わせられますが)
まず確認することとして、
１．町明かりや街灯の影響はどうか？
２．近くに光源(街灯・自動販売機・道路等)はないか？
３．トイレ等はあるか？
４．当該地に向いている道路はあるか？
まずは上の3つくらいを確認すればいいでしょう。ただし、これは実際に夜にやっておくことをお勧めします。同じ場所でも昼間と夜間では全く世界が違います。でも余りこだわりすぎるのも、よくありません。４．については、意外と思われたかもしれませんが、例えば私の経験上数キロ先の道路から来る車のヘッドライトでも観望の邪魔になることも間々ありました。自動販売機も明かりも意外と馬鹿になりません。昼間には気がつかなくても夜になると、「え、こんなところに街灯があったの？」ということもありました。

トイレは特に女性の人が気をつけることですが・・・あるに越したことはない・・・ということです。
ここまで整備されていれば、万々歳です。

その他・・・気を付けたほうがよいこと

あと、意外と経験しないと分からないのですが・・・
夜は夏でもそれなりに冷えます。必ず普段よりも1枚～2枚余計に服を持参することをお勧めします。
秋～冬には昼間は暑くとも防寒服を持参してちょうどいいくらいです。
私は自宅に天文台(Stardome MOMO)を建設しましたが、秋～冬はその中でも防寒服着用でちょうどいいくらいです。

結論として…

何を見たいのかによって、日を選ぶべし
(月と暗い天体を同時に見たいのなら上弦の半月まで、暗い天体だけなら新月付近がベスト)

季節によって星の見える時間は大幅にかわってくる

実際自分が見たい場所は、夜に確認せよ

服は必ず余計に準備せよ