うしかい座

2021年4月
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春の代表的な星座の一つであるうしかい座です。
初めての人は、北斗七星の柄の部分をカーブに沿って伸ばした先にあるオレンジ色の星を見つけてみましょう。
このオレンジ色の星の名は「アークトゥルス」、本来の意味はギリシャ語で「熊の番人」だとか。日本では麦星と言われています。この星が天頂近く輝くころ(6月)は麦の刈り取りの季節ゆえにそう呼ばれています。ハワイでは「ホクレア」(喜びの星)と呼ばれています
 アークトゥルスは全天の恒星でシリウス、カノープスに続いて、3番目に明るい星(-0.1等)です。表面温度は太陽より2000度あまり低いとされているため、オレンジ色に見えます。しかし大きさが太陽の25倍程度あるため、実際の明るさは太陽の100倍以上です。

うしかい座の探し方

 うしかい座は、北斗七星から探すのが良いでしょう。上に記したように、北斗七星の柄を伸ばした先に輝くアークトゥルスが東に輝いている3月~5月、その北側にネクタイあるいはソフトコーンのような星の並びがあったら、それがうしかい座です。東から出てくるときは、ほとんど水平になった形で出てきます。(ふっくんの撮影した写真のように見えます)ただし、10月くらいに西の地平線に沈むときは、北側にやや傾いてはいるものの、直立した形で見えるでしょう。実はこれは私の天文仲間の間でも迷うことがあり、西の空でアークトゥルスを見つけることができても、うしかい座の形そのものを案内することは、たまに迷うことがあるのです。
 うしかい座の東隣にはかんむり座、北西側にはりょうけん座が見えますが、りょうけん座は星2つのこいぬ座のような星座です。またうしかい座の腰のあたりに輝くε星(2等星)は、ミラクという名前がついています。望遠鏡でこの星を見ると、黄色の2等星と青色の5等星が美しく輝いているのがわかります。ロシアの天文学者ストルーベは、この星をプルケリマ(最も美しいもの)と名付けました。

 下の画像にマウスポインターをのせたら、うしかい座の星座線が現れると思います。

撮影情報:2013年(平成25年)5月ごろ(詳細は不明)に自宅にて撮影

 ところで、うしかい座のアークトゥルスは同じく春の代表的な星座おとめ座の一等星スピカとおおぐま座の北斗七星との間で「春の大曲線」を形づくっています。またこの星は男らしい麦色であること、またスピカは美しい白色であることからこの二つの星を「春の夫婦星」と日本では呼んでいます。
 春の夫婦星というのであれば、どうして近くないの?と思うかもしれませんが・・・ご心配なく。アークトゥルスは凄い速さ(秒速約130km)でスピカの方向に向かっています。ですから、およそ6万年経てば、スピカのそば(見かけ上の話ですが)で本当の夫婦のように輝いているはずです・・・ただし、その後はまた離れて行くです(笑) でも、実際のところアークトゥルスは老年期を迎えたおじさん星で、スピカは若々しい乙女星です。ですからおじさんが娘に会いに行くというのが・・・いいかもしれませんね。

ステラナビゲータVer.9より作成

上の画像が、現在の星空です。約6万年後には下のようになります。(星座線は入れていません)
仲良く並んでいますね。その頃には、春の大曲線も春の大三角も違ったものになっているでしょう。

ステラナビゲータVer.9より作成

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