おとめ座

2021年5月
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 南側の光害の影響で、少々わかりづらくなっていますが、おとめ座の全景です。写真中央よりやや下側に明るい星が2つ見えます。このうち、右側の星がおとめ座のスピカ、左側の星が当時この付近にあった土星です。スピカは、地球から約250~300光年離れたところにあるといわれ、表面温度は2万度以上あり、実際は太陽の700倍以上の非常に明るい星です。白く清らかに輝いていることから、日本では真珠星、また春の夫婦星の女性側の星として見られてきました。
 おとめ座のスピカは、春の大曲線の終点でありますが、さらにその先を伸ばすとはからす座という星座にあたります。有名なみなみじゅうじ座(南十字星)は、このからす座のほぼ真南にあります。

おとめ座の探し方

 おとめ座は、星座の中ではおおぐま座に次いで大きな星座ですが、スピカ以外には3等~4等星で目立つ星はありません。特に南の空低いこともあり、特に都市部に近いところでは光害でなかなかその形を肉眼で見つけるには、むつかしいと思います。
 夜空が良く見える暗い場所に行ったなら、スピカの北側(上側)の3つの縦に並ぶ3等星とそれに直行する4等星の並びを見つけることができれば、あとはそれを頼りに東に流れる暗い星をつないでいけばよいと思います。なんとも乙女らしく目立たない星座です。同じ3~4等星で構成されるからす座に比べても目立たないのは、からす座がこじんまりとまとまっているのに対して、おとめ座の星は、広く散らばっているからかもしれません。
 下の画像にマウスポインターをのせたら、おとめ座の星座線が現れると思います。

撮影情報:2013年(平成25年)5月ごろ(詳細は不明)に自宅にて撮影


 おとめ座の西隣にはしし座、南側にはからす座、さらにその東側には、(これも目立たない)てんびん座があります。また、おとめ座としし座の境界付近北側には、かみのけ座という小さな星の集団(唯一星座線がなく描かれている星座)があります。
 ところで、肉眼では見えませんがおとめ座銀河団という銀河がたくさん集まっている大集団が、かみのけ座との境界付近にあります。同様にかみのけ座にもかみのけ座銀河団が見られます。
 春は、天の川銀河から外れたあたりを見ているため、遠い宇宙を見渡すことができるのです。おとめ座銀河団までの距離は約5900万光年、そのうちいくつかは暗い所に行けば望遠鏡で光のシミ程度ですが確認できる銀河もあります。ぜひチャレンジしてみてください。

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