M4(NGC6121)

2023年1月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M4までの距離は約7100光年、つまり今見ているM4は正確には約7100年前の姿です。その時日本は、縄文時代前期。南九州で、日本最後の巨大カルデラ噴火(鬼界カルデラ噴火)が起き、周辺一帯が死の世界になったころです。球状星団は、数万光年離れているのが多い中、この天体は非常に近いことになりますね。

M4(NGC6121)
M4(NGC6121)
天体概要

 さそり座にある球状星団です。さそり座α星(アンタレス)のすぐ西側に位置しており、双眼鏡で見れば、アンタレスやM80 と同時に見ることができます。距離が近いだけに、視直径も大きく(実直径は約70光年)、双眼鏡でも星雲状の姿を楽しむことができるでしょう。ただしさそり座は南低い場所にあることや近くにアンタレスという明るい恒星があるために、南側に街明かりが目立つ場合は、見えにくいということもあります。
 M4は1746年にセジューにより発見されています。メシエは1764年5月に観測しています。この天体内には多くの変光星が観測されており、1987年には3ミリ秒周期のパルサーが発見されています。3ミリ秒というと少なくとも330回転/秒のパルサーで、これはM1かに星雲で確認されたパルサーの10倍以上の速さです。

どんな感じで見えるの?

 M4は、さそり座のα星アンタレスのすぐ西隣にあります。
 双眼鏡でもわかりやすい天体ですが、注意深く見ると周囲が多少凸凹していることがわかります。8~10㎝の望遠鏡では、星がまばらに広がっている様子がわかるでしょう。20㎝程度以上では、かなり素敵な姿で見えると思います。ただし、他の球状星団とは違って、周囲のばらつきが目立つ球状星団かと思われます。

ふっくんの感想と一言

 夏にも球状星団は見えますが、天の川近傍の球状星団は決して多くありません。またM4は近年、球状星団2MASS-GC04が発見されるまで太陽系に最も近い球状星団でした。

メシエ番号(NGC番号)M4(NGC6121)
属する星座さそり座
種別球状星団(Ⅸ)
赤経16h23.6m
赤緯-26°31′
光度(等級)6.4等級
視直径20′
地球からの距離7100光年
天体に関する諸元
  • その他のM4の写真

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