今見ている天体は、どのくらい前の光?
M7までの距離は約800光年、つまり今見ているM7は正確には約800年前の姿です。その時日本は、西暦1200年前後の鎌倉時代。源平の合戦が終了し、源頼朝が鎌倉に幕府を開き、これから長く続く武家政権が誕生したころの光ですね。世界史的には、ユーラシア大陸全体を支配するモンゴル帝国ができ始めたころですね。
さそり座にある明るい散開星団です。4等級くらいなので、肉眼でも十分見えるのですが、南側に街明かりがあると見ずらくなるかもしれません。20光年くらいの範囲に、10等級より明るい星が80程度あり、天の川の星が多いエリアで、さらに星が密集しているという感じです。
明るい星団なので、古くから存在は知られていました。プトレマイオス(トレミー)はさそりの針の下の星団と記しており、それがきっかけかこの星団は(Ptolemy’s Cluster)とも呼ばれています。メシエは1764年5月に観測し、記録を残しています。
メシエ天体の中では、最も南側に位置している天体なので、緯度の高い北側では見える条件が悪く、星団ではなく星雲状にしか見えない可能性もあります。
どんな感じで見えるの?
M7もM6同様さそり座の尾の先端付近の北側を探すのがポイント、街明かりに邪魔されない、南の空が暗い場所で見てみましょう。双眼鏡で見ると、天の川の中に明るい散開星団を見つけられます。背景の天の川とのコラボで非常に美しい眺めになります。できれば三脚に固定してみていただければと思います。
望遠鏡で見る場合は、倍率はできるだけ低く、できれば視野の広い接眼レンズ(アイピース)を使うことをお勧めします。例えば、みかけ視界45度なら倍率は25倍以下でないと全体を見ることはむつかしくなります。全体が見えるようになれば、望遠鏡では双眼鏡では難しい微光星もみえるので、素敵な眺めになると思います。
ふっ君の感想と一言
天の川に重なってのメシエ天体は散開星団でいくつかあります。でも夏の天の川の中心部付近で輝く散開星団は、M7くらいしかないかなと思います。これもM6同様双眼鏡で見られることをお勧めします。また、南の空が暗いところで見てみましょうね。
メシエ番号(NGC番号) | M7(NGC6475) |
属する星座 | さそり座 |
種別 | 散開星団(e) |
赤経 | 17h54.0m |
赤緯 | +34°49′ |
光度(等級) | 4.1等級 |
視直径 | 50′ |
地球からの距離 | 800光年 |
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