M8(NGC6523)/干潟星雲

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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M8までの距離は約5200光年、つまり今見ているM8は正確には約5200年前の姿です。その時日本は、紀元前3000年前後の縄文時代。この頃の遺跡としては、青森県の三内丸山遺跡が挙げられますね。話はそれますが、この遺跡の発見で、今までの縄文文化のイメージがガラリと変わったそうです。
世界史的には、エジプト文明、メソポタミア文明が花開いたころですね。

M8(干潟星雲)
M8(干潟星雲)
天体概要

 いて座にある散光星雲(輝線星雲)です。冬の星雲の代表M42オリオン大星雲同様、夏の星雲の代表として名前が出てくることが多い天体です。
 散光星雲を南北に横切る帯状の暗黒星雲があり、その姿が干潟に似ていることから干潟星雲(Lagoon Nebula)と呼ばれています。星雲の中に輝く散開星団は、NGC6530 です。
 M8を発見したのはフラムスチードで、1680年ごろといわれています。メシエは1764年5月に観測し、記録しています。
 肉眼ではほかの星雲と同じく白っぽく見えるM8ですが、写真に撮ると赤く写ります。
 1997年に発表されたHST(ハッブル宇宙望遠鏡)のM8の画像では、中心部の詳細な構造が撮影されている。この写真には、竜巻様の構造がはっきりと写し出されています。

どんな感じで見えるの?

 いて座の西側の天の川の中にあります。南斗六星の柄の部分の真ん中くらいから西の方向に視線をずらしていけば、淡い星雲が目に入るでしょう。
 双眼鏡では、暗黒帯を見ることはできないと思います。淡く広がった星雲の背後に散開星団が重なって見えるでしょう。口径が大きくなれば細かい光の帯が美しく入り乱れている様子がわかります。8~10㎝の望遠鏡では、暗黒帯も見えるかもしれません。このような大きな星雲は、倍率を低めにして全体を眺めるか、倍率を高くして細部を見るかに分かれますが、M8は明るいので、倍率を100倍くらいにして、細かいところを見てみるのもいいかもしれません。
 20㎝以上の望遠鏡なら、人によってはピンク色に輝く星雲が美しく見えると思います。

ふっくんの感想と一言

 M8は夏を代表する星雲で双眼鏡で見ても非常に見ごたえのある星雲です。背後に星団も重なっており、またすぐ北側にはM20が見えるので、星空散歩をするには非常ににぎやかなエリアになります。ぜひ夏の夜には双眼鏡を向けてみてください。

メシエ番号(NGC番号)M8(NGC6523)
干潟星雲
属する星座いて座
種別散光星雲
赤経18h03.7m
赤緯-24°23′
光度(等級)6.0等級
視直径90′×40′
地球からの距離5200光年
天体に関する諸元
  • その他のM8の写真

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