M11(NGC6705)

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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M11までの距離は約6,000光年、つまり今見ているM11は正確には約6,000年前の姿です。6,000年前の日本は縄文時代。世界で見ても、いわゆる中東やエジプトの文明が栄えるのは今から約5,000年前なので、それ以前の光ということになります。

M11(NGC6705)
M11(NGC6705)
天体概要

 たて座にある散開星団です。たて座、いて座は天の川の中心部分に近いので、”Small Star Cloud”と呼ばれていますが、このあたりにM11はあります。天の川の多い星の中に、さらに多くの星が群がっているように見え、その姿が、カモが群がっているようなので”Wild Duck Cluster”(野鴨星団)とも呼ばれています。近くにはM26という小さな散開星団もあります。
 M11はドイツの天文学者キルヒによって1681年に発見されています。メシエは1760年3月に観測しています。
 M11には、およそ2,900もの星がありますが、そのうち約500個あまりが14等星より明るい星です。また星団ができてからおよそ2億5000万年経っていると考えられています。

どんな感じで見えるの?

 M11は比較的大型で明かるいので、双眼鏡でも見つけやすい天体ですが、周りは星の海である天の川です。たて座が分かる人なら、β星に向かって双眼鏡を向ければ、その南西側に、周りが滲んだ星雲のように見えると思います。8~10㎝程度の望遠鏡では低倍率では星雲のように見えますが、100倍程度にあげれば微光星がいくつか見えだすかもしれません。この天体は、散開星団にしては、集まりすぎた密な状態が特徴のです。20㎝程度以上では、全体が多くの星に分解されて非常に美しい眺めとなることでしょう。

ふっくんの感想と一言

 M11は球状星団っぽく見える散開星団です。天の川の中にある散開星団は、背後の星に埋もれて目立たなくなっているものが多いですが、M11は比較的わかりやすいものの一つだと思います。写真がうまく撮影できれば、背後の天の川とのコラボで美しい景色に見えるかもしれません。

メシエ番号(NGC番号)M11(NGC6705)
属する星座たて座
種別散開星団(g)
赤経18h51.1m
赤緯-06°16′
光度(等級)6.3等級
視直径12′
地球からの距離6,000光年
天体に関する諸元
  • その他のM11の写真

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