今見ている天体は、どのくらい前の光?
M12までの距離は約16,000光年、つまり今見ているM12は正確には約16,000年前の姿です。このころ日本は旧石器時代、縄文時代にはまだ届いていません。約10,000年前に最後の氷河期が終わったといわれています。この当時は、日本は今より6度~7度気温が低かったといわれています。
![M12(NGC6218)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M12.jpg)
天体概要
へびつかい座にある球状星団です。双眼鏡ではM10と同じ視野に入り、距離もそれほど離れていない(4000光年程度)ことから双子の球状星団のように見えます。ただM10より星の集まり具合が疎らなため、密な散開星団に見えなくもありません。
距離は約16,000光年で、見かけの大きさから計算した実直径は、約75~100光年と推測されています。へびつかい座には、合計4つの球状星団(ほかにM10、M14、M107)があるので、それぞれ見比べてみてもいいかもしれません。
1764年7月にメシエがM10に引き続き、最初に発見、記録しています。
M12には、今まで13個の変光星が見つかっています。
どんな感じで見えるの?
へびつかい座の西の方向に2つの3等星程度の星が並んでみえます。その東側約10度(手をグーにして伸ばした握りこぶしの間隔)にM10と並んでM12が見えます。双眼鏡では、M10とM12は同一視野に見えます。双眼鏡で2つの球状星団が見えるのは珍しいですよね。
8~10㎝程度の望遠鏡では100倍程度で微光星に分解して見えるようになると思います。M10は星雲のように見えるので、見え方の違いを確認してみましょう。20㎝程度以上では、中心部まで星が分解して見える球状星団のようになります。
ふっくんの感想と一言
へびつかい座は、天の川銀河の中心方向にあるので、このあたりにある球状星団は、銀河系中心部に近いんですよね。もしこれらの球状星団から天の川銀を見たら、結構迫力ある銀河が見えるんでしょうね。
メシエ番号(NGC番号) | M12(NGC6218) |
属する星座 | へびつかい座 |
種別 | 球状星団(Ⅸ) |
赤経 | 16h47.2m |
赤緯 | -01°57′ |
光度(等級) | 6.6等級 |
視直径 | 9′ |
地球からの距離 | 16,000光年 |
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