M13(NGC6205)

2023年1月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031 
今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M13までの距離は約23,500光年、つまり今見ているM13は正確には約23,500年前の姿です。日本では旧石器時代。しかも最後の氷河期の時期で、日本も今のシベリアのような気候だったのではないかと思われます。ヨーロッパでは氷河におおわれていたのではないでしょうか。そんな時代です。

M13(NGC6205)
M13(NGC6205)
天体概要

 春~夏の星座であるヘルクレス座にある球状星団です。その姿は、北天一美しいといわれています。また日本では見ごろの時期はほぼ頭の真上に見えるため、大気の影響を受けにくく、大気の状態が良ければ見事な姿に見えます。夜空の暗いところで、月明かりがなく、空が澄み切っていれば肉眼でも見えるくらいです。
 M13を最初に発見したのは、1714年にハレー彗星で有名なエドモンド-ハレーです。その記録にも月明かりがなく、穏やかな空なら肉眼でも見えると記載されています。メシエ自身は、1764年6月に観測、記録に残しています。
 なお、M13の年齢は135億年~140億年とされていますが、これはほぼ宇宙創成時に生まれた天体ということです。そして天体自体には10万個を超える星が集まっており、その中心部は、太陽周辺に比べて約500倍程度に密に星が集まっていると考えられています。
 またM13には1974年に地球外生命体通信のターゲットとして選ばれ、アレシボ電波望遠鏡からかの天体に向けて電波信号が送られました。果たして、M13に届くのでしょうか?仮に受信され、返信がくるのにさらに23,500年…往復約57,000光年の旅路です。

どんな感じで見えるの?

 M13は比較的大型で明かるいので、位置が分かれば、肉眼でも見えるかもしれません。双眼鏡でも見つけやすい天体です。双眼鏡では、周りが滲んだ恒星のように見えると思います。また8~10㎝程度の望遠鏡では100倍程度で回りの微光星が見えだすかもしれません。空の状態がよければ思い切って高倍率にすれば、球状星団のように見えると思います。
 20㎝程度以上では、高倍率で見事な球状星団になります。ほかの球状星団と比べて、大きく明るいので、見やすい球状星団でしょう。

ふっくんの感想と一言

 M13は人類が初めて自分たちの存在を宇宙に向けて発信した天体です。その信号は、今も宇宙空間を飛び続けています。仮にM13に人類に匹敵する知的生命体がいて、それを受信、解析して返信をくれたとき、果たして人類はこの地球上にいるのでしょうか?

メシエ番号(NGC番号)M13(NGC6205)
属する星座ヘルクレス座
種別球状星団(Ⅴ)
赤経16h41.7m
赤緯+36°28′
光度(等級)5.7等級
視直径23′
地球からの距離23,500光年
天体に関する諸元
  • その他のM13の写真

コメント