今見ている天体は、どのくらい前の光?
M19までの距離は約28,000光年、つまり今見ているM19は正確には約28,000年前の姿です。この頃は日本列島に人類が居住するようになって、およそ10,000年くらいの年月が流れています。しかし時代は旧石器時代。まだ気候も寒く、現在のシベリア並みの気温だったと考えられます。その中で私たちの先祖は生活していたのですね。
![M19(NGC6273)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M19.jpg)
天体概要
へびつかい座にある球状星団で、ちょうど天の川の中心方向に重なっています。ほぼ真東にさそり座のアンタレス、そして球状星団のM4が見えます。
M19は、球状星団の中では天の川銀河系の中心から約5000光年程度しか離れていない近い場所にあり、またその影響か最も楕円形にへしゃげた球状星団です。
1764年6月にメシエのよって発見、観測されています。
見かけの大きさはやや小ぶりですが、明るい部類に入るので、天の川の中心付近にあるとは言いながら、わかりやすい天体であると思います。実直径は約140光年程度といわれています。
どんな感じで見えるの?
アンタレスからたどるのが、一番良いと思います。アンタレスの東方向で赤緯で33.2mしか離れていません。比較的明るいので、双眼鏡でも見つけやすい天体です。
双眼鏡では、周りが滲んだ恒星のように見えると思います。8~10㎝程度の望遠鏡でも滲みの大きい恒星状にしか見えません。20㎝程度以上では、口径が大きくなれば球状星団っぽく見えるようになりますが、空の状態が良くないと、星雲状にしか見えないかもしれません。
ふっくんの感想と一言
実際に天の川の中にある球状星団をみても、なかなか恒星と区別がつかないものが多いですね。倍率を上げたり、写真に撮ると、あ、これ球状星団なんだって…。散開星団もそうですが、天の川の中にある天体は、注意が必要です。
メシエ番号(NGC番号) | M19(NGC6273) |
属する星座 | へびつかい座 |
種別 | 球状星団(Ⅷ) |
赤経 | 17h02.6m |
赤緯 | -26°16′ |
光度(等級) | 6.6等級 |
視直径 | 5′ |
地球からの距離 | 28,000光年 |
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