M14(NGC6402)

2023年2月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M14までの距離は約30,300光年、つまり今見ているM14は正確には約30,300年前の姿です。30,000年前の日本は、旧石器時代です。約38,000年前に日本列島付近に足を踏み入れた人類が定住をしていた頃ですね。球状星団は、銀河系外縁部にある近い天体とはいえ、そのころの光の多くが旧石器時代のころの光かと考えると、ふと感慨深いものを感じてしまいます。

M14(NGC6402)
M14(NGC6402)
天体概要

 へびつかい座にある球状星団です。へびつかい座には、4つの球状星団がありますが、最も東側にあるもので、見かけ上天の川の中にあるように見えます。
 わずかに楕円の形をしていますが、典型的な球状星団とみられています。
 1764年6月にメシエにより発見されました。発見当初は星のない丸い星雲と記録されていましたが、後年、ウィリアム-ハーシェルにより星に分解されています。私も望遠鏡でみると特に球状星団を星に分解するにはそれなりに大きな望遠鏡じゃないとだめだなと感じますが、そのとおりですね
 M14の実際の大きさは約55光年、また少なくとも70個の変光星を含みます。(ほとんどが、おとめ座W型の変光星)。
 M14には小話があり、今では一般的になっているCCD素子でデータが得られた最初の球状星団ということです。また1938年にM14に新星が現れました。しかしそれが分かったのは1964年。。。実は大学で1932年から1963年まで撮影された写真乾板を見直した結果わかったようです。16等級の新星は、当時はわからなかったのかもしれません。後年、その新星残骸を探そうという試みが行われましたが、結果としては見つかりませんでした。

どんな感じで見えるの?

 M14は少々暗い天体なので、双眼鏡では見つけにくいかもしれません。みえたとしても滲んだ恒星のように見えると思います。また8~10㎝程度の望遠鏡では低倍率では丸い星雲のように、100倍程度で回りの星雲がざらついたように見えだすかもしれません。20㎝程度以上でも、たいして見え方は変わらず、ちょっと光害があるとすぐ見えなくなってしまうのではないかと思います。よほど空の状態が良くないと、星雲状にしか見えないかもしれません

ふっくんの感想と一言

 球状星団のなかでも、どちらかというと目立たない部類に入るのではと思います。天の川の中に浮かぶ、球状星団の一つとして見ていただければと思います。

メシエ番号(NGC番号)M14(NGC6402)
属する星座へびつかい座
種別球状星団(Ⅷ)
赤経17h37.6m
赤緯-03°15′
光度(等級)7.6等級
視直径6′
地球からの距離30,300光年
天体に関する諸元
  • その他のM2の写真

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