今見ている天体は、どのくらい前の光?
M16までの距離は約7,000光年、つまり今見ているM16は正確には約7,000年前の姿です。日本では、縄文時代。それでこの頃は縄文海進の最盛期で、日本列島が完全に大陸と切り離されたころです。また、縄文時代の最盛期で、人口の増加に併せて多くの集落が作られました。また、丸太船による各地の交流が盛んになったころです。
天体概要
へび座にある散光星雲です。へびの尾っぽの部分、たて座との境界付近にあります。望遠鏡で見ても、星雲のほうは殆ど見えません。しかし写真で撮ると、大きく3本の柱のような星雲が写ります。欧米ではその形が飛んでるわしのように見えることから「わし星雲」(Eagle Nebula)と呼ばれています。
分類としてM16(NGC6611)は中の散開星団を指しており、散光星雲の部分はIC4703の番号がふられています。
1746年にセジューによって最初は発見されたものです。メシエは1764年6月に観測しています。
M16の中にある星団の星々は、まだ誕生から550万年しか経っておらず、星団の中での星形成は非常に活発であると思われています。また、星の原料である暗黒星雲はちょうど3つの柱を形成しているように見え、この暗黒星雲の中の星形成も活発に行われていると考えられいます。星雲内には小さく丸い暗斑が観察できます。この中で、次の時代の星たちが生まれてきているのですね。
M16の暗黒星雲は、1995年11月にHST(Hubble Space Telescope)が撮影して公開された創造の柱という画像が、非常にインパクトを与えたものとして有名ですね。近年では、HSTの後継機であるJWST(James Webb Space Telescope)によるX線画像が公開され、一段とインパクトを与えました。
こういう部分のアメリカって、プレゼン能力というか…凄いと思うんですよね。
どんな感じで見えるの?
M16は南斗六星の柄の端にあるμ星を北に伸ばした先にあります。双眼鏡で見ると、視界には散光星雲であるM17が下側に見えるでしょう。
双眼鏡ではモヤっとした星雲状に見えるのですが、これは星が密集しているのでそう見えるだけです。ただ、天の川銀河の中にあるので、周辺の星とも相まって美しい眺めになるでしょう。
8~10㎝程度の望遠鏡では100倍程度で散開星団の星が見えだすと思いますが、散光星雲を見るのは難しいでしょう。月明かりや光害があるとまず無理です。20㎝程度以上でもそれほど見え方は変わりません。写真なら暗黒星雲が見えるんだと割り切るしかないのかもしれませんね。
ふっくんの感想と一言
HSTで撮影されたM16の暗黒星雲がふっくんに与えたインパクトは結構すごかったです。まさにHSTの撮影した画像の中ではピカ一の印象でしたね。自分の写真でも、ちょっとそれらしく写っていますが、また挑戦してみたいと考えています。
メシエ番号(NGC番号) | M16(NGC6611) |
属する星座 | へび座 |
種別 | 散光星雲+散開星団 |
赤経 | 18h18.9m |
赤緯 | -13°47′ |
光度(等級) | 6.4等級 |
視直径 | 7′ |
地球からの距離 | 7,000光年 |
- その他のM16の写真
コメント