M17(NGC6618)/オメガ星雲

2023年2月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M17までの距離は約5,000光年、つまり今見ているM17は正確には約5,000年前の姿です。日本では縄文時代中期~後期で、集落が大型化し、植林農法なども行われるようになりました。青森県の三内丸山遺跡もこの頃の時代のものです。世界的に見れば、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明などが勃興あるいは繫栄したころです。星座の起源も、この頃にメソポタミアで生まれつつありました。

M17(NGC6618)
M17(NGC6618)
天体概要

 いて座、たて座、へび座の境界付近にある大型の散光星雲で、見かけの大きさは冬に見えるオリオン大星雲(M42)の半分程度ですが、かなり大型の星雲です。オメガ星雲(Omega Nebula)、馬蹄形星雲(Horseshoe Nebula)、ロブスター星雲(Lobster Nebula)、白鳥星雲(Swan Nebula)などたくさんの愛称があります。M17同様に星形成領域であり、夏の散光星雲の代表格で、観望会などではよく見られています。
 1746年にセジューにより発見された星雲で、メシエは1764年6月に観測しています。その時には星のない光のシミと記録されています。
 この赤い光は、若い星の高エネルギー放射により励起された水素によって放出される光によるものです。最も明るい部分は、白っぽく写真には写ります。
 また、M17を構成するガスの量は大きさは倍もあるオリオン大星雲の質量よりも大きいことが分かっています。その質量は、太陽の約800倍程度と考えられています。

どんな感じで見えるの?

 M17は6等級なので、夜空の暗い場所に行けば肉眼でも見えなくはありません。双眼鏡では、天の川の星の海の中に白いシミのようなものがみえるかと思います。8~10㎝程度の望遠鏡、60~80倍程度で何となく白鳥のイメージで見えるかもしれません。20㎝程度以上では、白鳥の姿がより分かりやすくなります。10㎝の時に比べても細かい構造などもわかるようになります。もっと大きな口径だと色も赤っぽく見えるかもしれません。

ふっくんの感想と一言

 この星雲は、オメガ星雲と呼ばれていますが、私には望遠鏡で見ても、目で見ても、どうしてもΩのの形には見えないのです。どこをどう見れば、オメガに見えるのでしょうかねぇ。

メシエ番号(NGC番号)M17(NGC6618)
属する星座いて座
種別散光星雲
赤経18h20.8m
赤緯-16°10′
光度(等級)6.0等級
視直径11′
地球からの距離5,000光年
天体に関する諸元
  • その他のM17の写真

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