今見ている天体は、どのくらい前の光?
M22までの距離は約10,400光年、つまり今見ているM22は正確には約10,400年前の姿です。このころ日本は、縄文時代が始まった頃。ヨーロッパでは中石器時代、中東では農耕が始まった頃と言われています。中東の今の砂漠からは想像もできませんが、当時は緑豊かな大地だったようですね。
![M22(NGC6566)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M22.jpg)
天体概要
いて座にある球状星団です。いて座には、いくつかのメシエ天体に分類される球状星団がありますが、その中でも大型で見ごたえのあるものです。惑星が通る黄道に近いため、惑星による接近現象がみられることもあります。
この球状星団は、1665年に発見されたものですが、全天の球状星団の中で最も早く発見されたものと言われています。メシエは1764年6月に観測を行って記録に残しています。
この球状星団は全天でも5本の指に入るほど、見かけの大きさが大きい球状星団で、M13に匹敵する大きさがあります。実際の直径は、約100光年程度と言われています。
近年では、赤外線天文衛星IRASの観測により、この星団中に惑星状星雲が確認されています。
どんな感じで見えるの?
M22は比較的大型で明かるいので、双眼鏡でも見つけやすい天体です。いて座の南斗六星のλ星に双眼鏡を向ければ、視野の左斜め上に見えると思います。近くには同じ球状星団であるM28も見えますが、こちらは小さいので恒星と間違えやすいです。双眼鏡では、周りが滲んだ大きな恒星のように見えると思います。また8~10㎝程度の望遠鏡では100倍程度で回りの微光星が見えだすかもしれません。20㎝程度以上では、さらに星が細かく分解され、球状星団っぽく見えるようになります。
ふっくんの感想と一言
M22は日本からは南の空の比較的低い位置にありますが、南の空が暗い場所で見れば、M13にも匹敵するくらい見事な球状星団です。南半球では、天の川と相まって素晴らしい見え方になるのかも…。
メシエ番号(NGC番号) | M22(NGC6656) |
属する星座 | いて座 |
種別 | 球状星団(Ⅶ) |
赤経 | 18h36.4m |
赤緯 | -23°54′ |
光度(等級) | 5.9等級 |
視直径 | 17′ |
地球からの距離 | 10,400光年 |
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