今見ている天体は、どのくらい前の光?
M24までの距離は約10,000光年、つまり今見ているM24は正確には約10,000年前の姿です。ただしこのM24は特定の天体を指すものではなく、天の川銀河の一部を見ていることになります。奥行きがあるため、全体として約10,000~16,000光年の範囲にあると思われます。
真ん中をとって、約13,000光年とすれば、日本は縄文時代の初期にあたります。縄文式土器が作られ、また遺跡からも多くの石器などが見つかりだすのもこの時代からです。
![M24(IC4715 contains NGC6603)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M24.jpg)
天体概要
いて座、南斗六星の一番北にあるμ星の北側、ちょうどM17とμ星の真ん中あたりにある天の川の濃い部分の1.5°(満月の3つ分の広さ)の範囲、このあたりを観測したメシエがM24としました。1764年6月のことです。ですので、M24には明確に散開星団などという定義はなく、この周辺の星の集まり(スタークラウド)を指すようです。英語では、Small Sagittarius Star Cloudと呼ばれています。小さないて座の星の雲という意味ですね。小さなというのがあるのですから、大きな…というのもあるかと思いますが。。。この南にある天の川銀河の中心方向が、まさに大きないて座の星の雲(Large Sagittarius Star Cloud)と呼ばれているようですね。
なお、M24の中には、小さく暗い散開星団であるNGC6603があります。
どんな感じで見えるの?
M24は範囲が満月の3倍程度と大きな天体なので、望遠鏡より双眼鏡のほうが良いと思います。比較的星が多く群がっており、微光星の輝きが素晴らしいと思います。8~10㎝程度の望遠鏡でも倍率を30~40倍程度にして、視野の広いアイピース(接眼レンズ)を使いましょう。
NGC6603を見ようとするには、20㎝程度以上は、必要かと思いますが、空の状態が良くないと、星雲状にしか見えないかもしれません。
ふっくんの感想と一言
メシエ天体の中で、空の領域を指しているナンバーはM24だけです。さて、ふっくんは一度自分の目で本当に暗い場所でいて座方向の天の川を見たことがありますが、星の集まりが入道雲のように見えていました。M24もそんな中にある天体です。
メシエ番号(NGC番号) | M24(IC4715) |
属する星座 | いて座 |
種別 | 散開星団(g) |
赤経 | 18h18.4m |
赤緯 | -18°25′ |
光度(等級) | 4.6等級 |
視直径 | 1.5° |
地球からの距離 | 10,000光年 |
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