M27(NGC6853)/あれい状星雲

2023年2月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M27までの距離は約1,250光年、つまり今見ているM27は正確には約1,250年前の姿です。西暦700年~800年くらいですね。日本は奈良時代~平安時代初期のころです。唐(当時の中国)の影響を受けた天平文化が栄えたころです。東大寺の大仏が造られたのはこの時代かな?
 世界史的にみれば、西方にはイスラム帝国やフランク王国、東方には唐という巨大国家が支配していた時代ですね。

M27(NGC6853)
M27(NGC6853)
天体概要

 こぎつね座にある惑星状星雲です。こぎつね座は、夏の大三角に囲まれた中にある星座ですが、星座を構成する星が3つ程度である小さな星座です。その中に、目立つような形でM27はあります。一般的にはM27より、筋力トレーニングに使う鉄亜鈴(ダンベル)に似ていることからダンベル星雲とか、亜鈴(あれい)状星雲と呼ばれています。
 M27は1764年7月にメシエにより発見されましたが、惑星状星雲として発見された最初の天体です。また、この天体は小型の望遠鏡で見える惑星状星雲の中では、見ごたえのあるもので、こと座のリング星雲(M57)の約5倍の視直径があります。
 M27の中心星は13.5等星のスペクトルO7の星で、星雲は100年間で6.8秒の速さで広がっていることから、およそ3000年~4000年までに膨張を始めたと考えられています。
 写真写りもよく、また色彩も鮮やかなであり、背後の天の川の星々も奇麗なので、惑星状星雲の代表例として撮られることも多いようです。

どんな感じで見えるの?

 M27は比較的大型で明かるいので、双眼鏡でも見つけやすいのですが、なかなかその位置に持っていくのが難しいかもしれません。一番簡単な方法は、はくちょう座のβ星(アルビレオ)を中心として、こと座のγ星のほぼ反対側に位置しています。
 双眼鏡では、ぼんやりと星でない雲のようなものが見えますが、両脇がない楕円の形はわかるかと思います。8~10㎝程度の望遠鏡では40~100倍程度で何となく両脇のかじり取られたリンゴあるいは丸い煎餅のような星雲が見えてくると思います。20㎝程度以上では、もっと細かい部分も見えてきて、非常に面白い対象となるでしょう。

ふっくんの感想と一言
ふっくん
ふっくん

こぎつね座という目立たない星座の中に、惑星状星雲の中では大型の部類があるのも驚きです。でも、自分にはどうしても鉄亜鈴のようには見えないのですよね。両脇をかじったリンゴ星雲が一番しっくりきます。

メシエ番号(NGC番号)M27(NGC6853)
属する星座こぎつね座
種別惑星状星雲(Ⅲa)
赤経19h59.6m
赤緯-22°43′
光度(等級)7.6等級
視直径8′×4′
地球からの距離1,250光年
天体に関する諸元
  • その他のM27の写真

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