今見ている天体は、どのくらい前の光?
M29までの距離は約4,000光年、つまり今見ているM29は正確には約4,000年前(紀元前2000年ごろ)の姿です。日本では縄文時代ですね。中国では最初の王朝と言われる夏王朝ができたころです。普段見ている星空も、本当は遠くの星の光を見ているとふと考えてしまいます。
![M29(NGC6913)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M29.jpg)
天体概要
夏の代表的な星座であるはくちょう座にある散開星団です。はくちょう座は天の川のど真ん中にある星座なので、いて座のようにたくさんのメシエ天体があると思いきや、散開星団2つのみです。
M29はおよそ1000万年程度の若い星の集まりで、薄くガスに覆われています。大きさは約11光年程度と考えられています。
メシエは1764年7月に発見、7~8個の星があると記録に残しています。のちにベクバルは20の星を数えているが、The Sky Catalogue 2000.0では50の星が記載されています。
どんな感じで見えるの?
M29ははくちょう座のγ星を双眼鏡やファインダーに捉えたら、同じ視界に見えると思います。双眼鏡で見れば、γ星の南側に星雲のように滲んで見えるでしょう。また8~10㎝程度の望遠鏡では50倍程度で明るい星が7個程度見えるようになるでしょう。20㎝程度以上でも見え方はそんなに変わりませんが、背後の天の川の星も含めて、美しい眺めになると思います。
ふっくんの感想と一言
![ふっくん](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2022/02/939f75f5f657587fcb3a681150fd5537.jpg)
ふっくん
天の川の中の散開星団は、背後の星と重なってわかりにくいこともあります。でもたくさんの星に囲まれた散開星団は、非常にきれいですよ。はくちょう座はメシエ天体は少ないですが、網状星雲、北アメリカ星雲などあるので、機会があったら写真撮影にもチャレンジしてみてください。
メシエ番号(NGC番号) | M29(NGC6913) |
属する星座 | はくちょう座 |
種別 | 散開星団(d) |
赤経 | 20h24.0m |
赤緯 | -38°31′ |
光度(等級) | 7.1等級 |
視直径 | 7′ |
地球からの距離 | 4,000光年 |
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