今見ている天体は、どのくらい前の光?
M31までの距離は約220万光年、つまり今見ているM31は正確には約220万年前の姿です。この頃地球に私たち人類の祖先が、アフリカを中心にサルより分かれて進化を始めたといわれています。私たちの銀河系に大マゼラン銀河がついているように、これもアンドロメダ銀河のお供の銀河です。
天体概要
アンドロメダ銀河のお供の銀河であるM32は、1749年にル・ジャンテュが発見しました。M32は直径が約8,000光年の小さな楕円銀河ですが、その中心核の明るさはM31に匹敵するほど明るく、太陽の30億倍の質量をもっています。
M32は、地球から見るとアンドロメダ銀河の腕の中に埋もれているように見えますが、詳しい観測の結果、私たちの銀河により近い位置にあることが分かっています。また、その銀河を構成する星は古い星が多く、寿命の短い大質量星はすでに白色矮星や中性子星となっているようです。また、星の原料となる星間物質やガス雲、散開星団なども見つかっておらず、新しい星を作ることはできないのではと考えられています。
メシエは1764年8月に観測しM31やM110と共にスケッチに残しています。
どんな感じで見えるの?
M32はM31の伴銀河であり、M31を双眼鏡等で導入すると満月1個弱くらい南方向に離れた位置に歪んだ楕円の形で見えると思います。丸い小さな星雲状で、最初は恒星と見分けがつかなかったりしますが、恒星は明らかに異なった滲んだ光を探してみましょう。
8~10㎝程度の望遠鏡では比較的わかりやすく見えるようになりますが、倍率を高くせず、30倍程度で見るようにします。20㎝程度以上でも見え方はあまり変わりません。
ふっくんの感想と一言
アンドロメダ銀河は、私が望遠鏡を手に入れて、初めて向けた天体です。その時は視野に入った記憶はありませんが、後年、見たときは薄いガスのような雲しか見えずにがっかりした覚えがあります。でもその雲は220万年かかって地球に届いた光なんですね。
メシエ番号(NGC番号) | M32(NGC221) |
属する星座 | アンドロメダ座 |
種別 | 銀河(E2) |
赤経 | 00h42.7m |
赤緯 | +40°52′ |
光度(等級) | 8.1等級 |
視直径 | 8′×6′ |
地球からの距離 | 220万光年 |
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