今見ている天体は、どのくらい前の光?
M35までの距離は約2,800光年、つまり今見ているM35は正確には約2,800年前の姿です。日本では縄文時代末期のころと言われています。場所によっては、このころから農耕が行われるようになったようです。(必ずしも弥生時代=農耕の始まりではないようですね)世界史的に見れば、紀元前8世紀ごろにギリシャで記録に残る最初の古代オリンピック(紀元前776年)が開かれたとか。。。
![M35(NGC2168)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M35.jpg)
天体概要
ふたご座のお兄さん星、カストルの足元は冬の天の川に接している場所ですが、そこに満月程度の広さに広がる散開星団です。目でもなんとか見えるかもしれない5等級で、冬~春初めの天頂付近にあります。この散開星団は星が多く輝いており、非常に見ごたえのある星団です。近くには11等級とやや暗い散開星団NGC2158があり、上の写真でも右斜め上に小さく密集した散開星団が写っています。
M35の実直径は、星の広がりと距離から推測しておよそ24光年で、星団年齢は約1億歳(9500万歳~1億1000万歳)と考えられています。
1746年にセジューにより発見されましたが、1750年以前にジョン-へビスの発見も記録に残っています。メシエは1764年3月に観測を行い、記録しています。のちにハーシェルやロス卿もこの星団の美しさを記録していることからも、冬の散開星団の中ではぜひ見てみたい天体かと思います。
どんな感じで見えるの?
M35はふたご座カストルの足元付近に比較的大型で明かるいので、双眼鏡でも見つけやすい天体です。ふたご座の足元の星を目印に双眼鏡や望遠鏡のファインダーで探してみてください。肉眼でも暗い場所ではぼんやりとした星雲状に見えるので見つけることができるかもしれません。
双眼鏡では、細かい星が何十個と見えてきます。NGC2158は天頂付近や周辺の暗い場所で小さな星雲状で見えることがあるかもしれません。
8~10㎝の望遠鏡では40~60倍程度で見ることをお勧めします。あまり倍率が高くなると、星団の星が視界から外れてしまいますからね。さすがに望遠鏡となると集光力が上がるためにさらに細かい星まできれいに見えると思います。20㎝程度以上では、NGC2158を倍率を上げてみれば、細かい星に分解できるかと思います。
ふっくんの感想と一言
![ふっくん](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2022/02/939f75f5f657587fcb3a681150fd5537.jpg)
冬の天の川の中で、代表的な散開星団の一つがM35です。広い視野を取ると近くにモンキー星雲(NGC2174)やクラゲ星雲(IC443)と様々な天体があります。M35は近傍のぎょしゃ座にある散開星団、M36やM37、M38とも見比べてみたいですね。
メシエ番号(NGC番号) | M35(NGC2168) |
属する星座 | ふたご座 |
種別 | 散開星団(e) |
赤経 | 06h08.8m |
赤緯 | +24°20′ |
光度(等級) | 5.3等級 |
視直径 | 28′ |
地球からの距離 | 2,800光年 |
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