M36(NGC1960)

2023年3月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M36までの距離は約4,100光年、つまり今見ているM36は正確には約4,100年前の姿です。日本では、縄文時代のころですね。中国では(伝説ではありますが)最初の王朝であるとされる夏(か)王朝が成立したころと言われています。エジプトやメソポタミアはもう少し古い時代から始まりましたが、インダス文明、古代中華文明が発祥したころの光です。

M36(NGC1960)
M36(NGC1960)
天体概要

 ぎょしゃ座はいびつな五角形をした星座ですが、星座のど真ん中を冬の天の川が流れています。その中に北側から、M38、M36、M37の順に3つの散開星団が並んでいます。3つにはそれぞれ特徴がありますので、見比べてみるのが楽しみの一つとなります。 そのうちM36は3つの中で最も小さいが、明るい星が多いという特徴があります。
 M36は1654年より前に発見されていたと言われていますが、これは1984年まで明らかになりませんでした。その後、1749年にルジャンテュによって発見されています。メシエは1764年9月に観測して記録に残しています。
 M36の大きさは、距離と見かけの視直径を考えると、約14光年となります。星団には60個ほど星があり、そのうち9個ほどはB2のスペクトルである9等級の星が含まれます。星団の年齢は若く、約2,500万歳と考えられています。そのため赤色巨星はありません。

どんな感じで見えるの?

 おうし座β星とぎょしゃ座θ星を結ぶ線上に直行する形で北側にM36、M38、南側にM37が並んでいます。望遠鏡のファインダー等では、靄のように見えるかと思います。
 双眼鏡では、十数個の明るい星が見えると思います。背後には冬の天の川の微光星が輝いているので、非常に美しい長めになります。
 8~10㎝程度の望遠鏡では80~100倍程度で星団中心付近に二重星がいくつかみえるかと思います。星団全体を見るにはやや倍率は低めにしましょう。20㎝程度以上では、星団の星がきれいに分解されます。星の色や輝きの違いを楽しんでください。

ふっくんの感想と一言
ふっくん
ふっくん

M36は明るい星が多いので、双眼鏡で見ても見ごたえはあります。近くにあるM37やM38とかふたご座にあるM35とも比較してみてください。

メシエ番号(NGC番号)M36(NGC1960)
属する星座ぎょしゃ座
種別散開星団(f)
赤経05h36.3m
赤緯+34°08′
光度(等級)6.3等級
視直径12′
地球からの距離4,100光年
天体に関する諸元
  • その他のM36の写真

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