M38(NGC1912)

2023年3月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M38までの距離は約4,200光年、つまり今見ているM38は正確には約4,200年前の姿です。日本では、縄文時代のころですね。世界的に見れば、時期の若干の差こそあれ、四大文明が発祥したころと言われています。何とも時の流れを感じてしまいます。

M38(NGC1912)
M38(NGC1912)
天体概要

 ぎょしゃ座にある散開星団。近傍には小さな散開星団であるNGC1907が見えます。(上写真で右端付近の星の集まり)M36のように明るい星はなく、やや暗い感じの星団です。
 M38の年齢は約2億2000万年と考えられ、星団中にはG0型のスペクトルを持つ太陽の900倍近い明るさの黄色巨星(7.9等星)がいくつかあります。見かけの大きさと距離から推定すると、星団の大きさは、約25光年程度と思われます。
 1654年以前に発見されていましたが、この発見は世に知られず、1749年にルジャンテュにより記録されたのが最初と言われていました。メシエは1764年9月に観測し、記録に残しています。
 

どんな感じで見えるの?

 M38はおうし座β星とぎょしゃ座θ星を結んだ直線状に直行する3つの星団の中で最も北側に離れた星団です。双眼鏡ではぼんやりとした星雲状に見えますが、よく見るといくつかの星が輝いているのがわかると思います。M36やM37同様に、この辺りは冬の天の川の中にあるので、微光星が背後に多くあり、美しい眺めとなるでしょう。
 8~10㎝の望遠鏡では、低倍率で見ることをお勧めします。150前後の星が見えるとともに、近くにあるNGC1907も見えるようになります。こちらは倍率を高くすると散開星団らしく見えます。20㎝以上では、星がほぼ完全に分解されてきれいな眺めになると思われます。

ふっくんの感想と一言
ふっくん
ふっくん

冬の天の川は非常に淡くて夏のように見えないですが、双眼鏡や望遠鏡を向けてみると、天の川のない部位に比べて非常にたくさんの星が見えることがわかります。その中でもM35~M38は個性的な散開星団なので、ぜひ見てみてください。

メシエ番号(NGC番号)M38(NGC1912)
属する星座ぎょしゃ座
種別散開星団(e)
赤経05h28.4m
赤緯+35°50′
光度(等級)7.4等級
視直径21′
地球からの距離4,200光年
天体に関する諸元
  • その他のM38の写真

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