M39(NGC7092)

2023年3月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M39までの距離は約820光年、つまり今見ているM39は正確には約820年前の姿です。日本では最初の武家政権である鎌倉幕府が開かれたころですね。東アジアではモンゴル帝国が勢いを増したころですね。イギリスではマグナ-カルタ(大憲章)が制定(1215年)されました。このマグナ-カルタですが、まだイギリスの憲法を構成する法典の一つとして今もって有効のようです。その頃の光が、今地球に届いているようです。

M39(NGC7092)
M39(NGC7092)
天体概要

 はくちょう座にある散開星団です。はくちょう座は、夏の天の川と重なっているためたくさんの散開星団がありますが、メシエ天体としての散開星団は、M29、M39の二つのみです。ただM39ははくちょう座から離れた位置にあるので、あまり目立たない存在かもしれませんが、大きく明るいのでぜひ見ておきたい天体です。
 星の数は、約7光年の範囲に30程度と見積もられています。年齢は約2億3000万年~3億年とされており、すべての星が主系列星で、最も明るい星は赤色巨星への移行点付近にあると考えられています。
 M39は紀元前350年頃にアリストテレスが彗星のようなものとして発見した説や、1750年頃にル-ジャンテュにより発見されたという記録がありますが、それを疑問視する意見もあります。メシエは1764年10月に発見、記録しています。

どんな感じで見えるの?

 はくちょう座の1等星、デネブの北東方向に位置しています。夜空の暗いところでは、天の川が濃くなったように見えるかもしれません。詳しい星図があったら、はくちょう座のρ星、π星を底辺とした二等辺三角形の頂点付近にあります。
 双眼鏡で見ると、明るい星が10個ほど見えるでしょう。天の川の微光星をバックにきれいな眺めになると思います。8~10㎝の望遠鏡では、20個以上の星が見えると思います。ただしできるだけ低倍率(40~50倍程度)で見ることをお勧めします。20㎝以上では、視野を外れる星も出てきそうです。ただ、いくつかは二重星となっており、これを観察するのもいいかもしれませんね。

ふっくんの感想と一言
ふっくん
ふっくん

はくちょう座付近の天の川は天頂付近に来ると、結構見ごたえがあると思います。その中でデネブの北側でちょっと濃くなっているかなと思う場所がM39であるかもしれません。双眼鏡でゆっくりと天の川の中を散歩していただければと思います。

メシエ番号(NGC番号)M39(NGC7092)
属する星座はくちょう座
種別散開星団(e)
赤経21h32.2m
赤緯+48°26′
光度(等級)4.6等級
視直径32′
地球からの距離820光年
天体に関する諸元
  • その他のM39の写真

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