今見ている天体は、どのくらい前の光?
M48までの距離は約1,500光年、つまり今見ているM48は正確には約1,500年前の姿です。日本では古墳時代から奈良時代にかけての時代です。大陸から仏教に加えて様々な技術が伝来した時期でもあります。もう少し後ではありますが、イメージとしていわゆる聖徳太子が活躍されていた時代ですね。
東アジアでは中国の南北の分裂が終わって、隋という強大国家ができたこと、ヨーロッパではローマ帝国の分裂から、まだまだ混迷の時代であったころですね。
![M48(NGC2548)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M48.jpg)
天体概要
うみへび座にある散開星団です。うみへび座は非常に大きな星座(東西に100度で広がる)で、M48は頭の部分に近く、いっかくじゅう座との境界付近に位置しています。
メシエは1771年2月に記録に残していますが、記録された位置には該当の天体は見当たらず、長く不明天体と言われていました。その後、1934年にメシエが記録した位置から南に3.5度ずれた位置にある星団を見つけて、M48はNGC2548と同一天体であることを確認したようです。
この天体は、空の条件が良ければ肉眼でも薄らぼんやりと見えるようです。実際の大きさは23光年くらいですが、満月ほどの大きさに広がり、双眼鏡でも40~50程度の星が見えます。全体の星の数は80程度と言われています。
また、星団内には、太陽の70倍程度の明るい星があり、ほかにも黄色の巨星が3個程度見られるようです。星団の年齢は、およそ3億歳といわれています。
どんな感じで見えるの?
近くに目印となる明るい星はありません。位置としては、こいぬ座のα星(プロキオン)とβ星を結んで、その反対側に約2.5倍程度伸ばした付近にある星団です。
双眼鏡で見たら、小さな星が楕円状に集まった形に見えるかと思います。8~10㎝程度の望遠鏡含め、望遠鏡で見る場合、できるだけ低倍率にするのがコツです。そうしないと散開星団の美しさは堪能できませんのでね。場合によっては、焦点距離を短くするレデューサなどを使用してみてください。
ふっくんの感想と一言
![ふっくん](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2022/02/939f75f5f657587fcb3a681150fd5537.jpg)
うみへび座に属する星団ですが、実際はいっかくじゅう座のほうが近いです。このふきんの冬の天の川の写真にチャレンジしたら、端のほうに写るかもしれませんね。
メシエ番号(NGC番号) | M48(NGC2548) |
属する星座 | うみへび座 |
種別 | 散開星団(f) |
赤経 | 08h13.8m |
赤緯 | -05°48′ |
光度(等級) | 5.5等級 |
視直径 | 23′ |
地球からの距離 | 1,500光年 |
- その他のM48の写真
コメント