今見ている天体は、どのくらい前の光?
M52までの距離は諸説ありまして約3000光年~7000光年と幅があります。真ん中をとって仮に5000光年とすれば、今見ているM52は正確には約5,000年前の姿です。このころの日本は縄文時代にあたります。(いずれの距離にしても縄文時代であることには変わりません。)天の川銀河の中の天体は比較的近いとは言いながら、このくらい離れているのですね。
![M52(NGC7654)](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2023/01/M52.jpg)
天体概要
秋の天の川にあるカシオペア座の散開星団です。もう一つの散開星団であるM103がカシオペア座直近にあるのに対して、M52はカシオペアとケフェウスの間、天の川の端の部分にあります。
この星団は、メシエが1744年9月に彗星を観測中に見つけたものです。
星団の星の数は、およそ200個程度と言われています。その中には2つの黄色巨星もあります。星団の年齢は、およそ3,500万年と考えられています。散開星団としては、まばらな方ですが、周辺の散開星団は小さいか、さらにまばらなものが多いため、相対的にM52がわかりやすい星団になったようです。
どんな感じで見えるの?
カシオペア座の右側にあるα星とβ星を結んで、その長さ分だけ伸ばした先に5等星がありますが、その約1度南に位置しています。双眼鏡では、ばらつきの大きい球状星団を見ているように、周辺ににじんだ星の集まりに見えます。8~10㎝程度の望遠鏡では50~60倍程度で全体が収まるので、背景に薄く広がる星雲状の淡い光も含めて、きれいに見えると思います。20㎝程度以上では、細かい星も含めてさらにはっきりと見えるようになるので、なかなか美しい眺めになると思いますよ。
ふっくんの感想と一言
![ふっくん](https://stardome-momo.com/wp-content/uploads/2022/02/939f75f5f657587fcb3a681150fd5537.jpg)
ふっくん
細かい星がたくさん集まった星団です。これも秋の天の川からはちょっと外れたところにありますが、それが幸いしてか、見やすい散開星団になっています。
メシエ番号(NGC番号) | M52(NGC7654) |
属する星座 | カシオペア座 |
種別 | 散開星団(e) |
赤経 | 23h24.2m |
赤緯 | +61°35′ |
光度(等級) | 7.3等級 |
視直径 | 13′ |
地球からの距離 | 5,000光年 |
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