M53(NGC5024)

2023年5月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M53までの距離は約58,000光年、つまり今見ているM53は正確には約58,000年前の姿です。日本列島に人類が暮らしていた痕跡で一番古いものは、38,000年前と言われていますので、それよりまだ20,000年以上前の光です。私たちの直径の祖先であるホモ・サピエンスは、約30万年~20万年前にアフリカで誕生し、5万年前以降に全世界に出て行ったと考えられています。ちょうどそのくらいの時期の光ではないでしょうか。

M53(NGC5024)
M53(NGC5024)
天体概要

 かみのけ座にある球状星団です。この辺りには、星団というより銀河が群れだっているのですが、その銀河の中にぽつりとある球状星団です。距離は球状星団の中でも遠いほうで、銀河中心から約6万光年、私たちの地球からも約5万8千光年離れています。ただ、星団の実直径は約220光年と大きな部類に入ります。
 M53も他の球状星団同様、古い星で構成されているためヘリウムより重い元素は少量しか含まれていません。また、星団内には少なくとも47個のこと座RR型変光星が確認されています。
 この天体は1775年2月にボーデによって最初は発見されたものです。メシエはその2年後の1777年2月に観測しています。 

どんな感じで見えるの?

 M53はかみのけ座α星(4等星)の北東約1度の位置にありますが、かみのけ座自体が非常に暗い星座なので、なかなか見つけるのは難しいと思われます。そこでうしかい座α星(アルクトゥルス)とお隣のη星を結んだ先2倍くらいの位置で探してみましょう。
 双眼鏡では、滲んだ恒星あるいは丸い星雲のように見えます。8~10㎝の望遠鏡で倍率を100倍以上にしたら、シーイングが良い状態で周辺部の微光星が見えるようになります。20㎝以上なら、さらに多くの星に分解出来て、状態が良ければ最高の眺めになると思いますよ。

ふっくんの感想と一言
ふっくん
ふっくん

M53はたまたま地球から遠い位置にあるからこじんまりした星団にしか見えませんが、3万光年程度の位置にあったら、ぴか一の球状星団に見えるかもしれませんね。

メシエ番号(NGC番号)M53(NGC5024)
属する星座かみのけ座
種別球状星団(V)
赤経13h12.9m
赤緯+18°10′
光度(等級)7.6等級
視直径13′
地球からの距離58,000光年
天体に関する諸元
  • その他のM53の写真

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