M54(NGC6715)

2023年5月
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今見ている天体は、どのくらい前の光?

 M54までの距離は約87,400光年、つまり今見ているM54は正確には約87,400年前の姿です。歴史的には九州の阿蘇山の最後の大爆発が起きたころです。この大爆発は、日本最大で世界でも2番目の規模と言われています。この時の火山灰は、遠く北海道でも確認されています。
幸い有史以来、このような火山の噴火は起きていませんが、今後も起きないという保証はありませんね。。。

M54(NGC6715)
M54(NGC6715)
天体概要

 いて座にある球状星団です。距離は約5万光年~6万光年と考えらえていましたが、近年の観測で、約9万光年近いかなり遠くにある天体であるという結果となりました。加えてこの天体は、私たちの銀河系に属する天体ではなく、いて座矮小楕円銀河という私たちの銀河系の伴銀河に属する天体であることがわかっています。距離が遠いため、望遠鏡等で見ても恒星状にしか見えないことが多いですが、明るさは太陽の約85万倍もあり、実際の直径は約300光年と見積もられています。
 星団の中には、少なくとも82個の変光星が確認されており、その多くはこと座RR型変光星です。しかし周期が77~101日の半規則型変光星も見つかっています。
 メシエは1778年7月に発見し、観測しています。当時は暗い星雲と記録されていたようですが、誤訳で明るい星雲となっています。

どんな感じで見えるの?

 M54は実際は非常に大きな球状星団と考えられていますが、何分遠いので、恒星状にしか見えないと言われています。位置は南斗六星のひしゃくの先端星であるζ星の東約2度付近にあります。
 明るい星団なので、双眼鏡でも位置はわかるのですが、恒星状にしかみえないので、同定するのは注意が必要です。10~20㎝の望遠鏡でも、周りの星が分解できずに少々面白みに欠けると思います。
 30㎝以上なら、周囲の星がわかるようになるかもしれません。

ふっくんの感想と一言
ふっくん
ふっくん

メシエ天体の中ではめずらしい銀河系以外の天体に属する星団です。写真でもわかるように、なかなか星に分解してくれません。丸い星雲みたいですね。。。

メシエ番号(NGC番号)M54(NGC6715)
属する星座いて座
種別球状星団(Ⅲ)
赤経18h55.1m
赤緯-30°28
光度(等級)7.6等級
視直径12′
地球からの距離87,400光年
天体に関する諸元
  • その他のM54の写真

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